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その節税対策、本当に大丈夫ですか?

2022年11月15日

社長が無意識に反応するキーワード、それは「節税」です。

せっかく稼いだ利益を少しでも有利に手元に残しておきたい、
そう考える社長が多いからなのですが、
今後はその思考を少し変える必要があるかも知れません。

ガソリンから日用品まで物価上昇が顕著な今、
中長期的にもインフレが懸念されています。

その結果、長いスパンで見れば
せっかくの節税も意味がなくなってしまう恐れがあるのです。

そこで今回は
物価上昇局面における節税対策の基本的な考え方
事例を通してご紹介したいと思います。

* * * * * * * *

「節税」と言えば、
保険や償却資産を使ったものがポピュラーですよね。

当局の規制が厳しくなったことで、
これら節税対策も年々難しくなっていますが、
それでも毎年新しい節税対策が生み出されています。
それだけ経営者の関心が高いということでしょう。

よくある節税対策の事例は以下のようなものです。

一括で1億円の設備を購入。
全額損金で計上して、3千万円の法人税を節税。
その後20年間で1億円が収益として確保されるというもの。

もちろん何も対策しなければ税引き後の利益は7千万円ですから、
出口戦略さえ整っていれば3千万円得したことになりますね。

しかしインフレを加味したケースで効果検証してみると、
その効果にクエスチョンマークがつくことになります。

例えば
物価上昇率が2%ととした場合、
20年後の1億円の実質価値はなんと6,700万円に減ってしまいます。

ということは・・・。
法人税で得をしたはずの3千万円は結果的にインフレによる目減りで
全て吹っ飛んでしまうことになるのです。

さらに。
仮に20年間の物価上昇率が3%であれば
実質価値は5,500万円まで目減りしてしまうのです。

ここでお考えいただきたいのは、
物価上昇局面においては全額節税できたとしても
資産運用出来ない商品であれば投資効果はほぼ無くなる
ということです。

この30年、私達は全く物価上昇しないデフレ時代を過ごしてきました。
そのため前述の様な保険や償却資産を使った節税対策でも
十分その恩恵を受けることが出来ていたのです。

しかし、もう少し長いスパンで見た場合、
例えば、1951年から2001年までの統計では、
年間のインフレ率は平均で3.8%。
つまり平均して毎年3.8%ずつ物価は上がっていったのです。

いかがでしたか?
今後は節税対策を考える際は
必ず資産運用面も考慮して実施するようご留意ください。

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