なるほどポスト

なるほどポスト vol.168

発効日:2025年4月15日

今回の担当は松本

東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)

奈良の大仏で有名な東大寺の二月堂で毎年行われている「お水取り」という行事をご存じでしょうか?春の訪れを告げる行事として知られていて、3月12日の夜に大仏殿よりも奥にある二月堂の本尊「十一面観音菩薩」に供える香水を汲み上げることから「お水取り」と言われています。旧年中の過ちを認めて悔い改めることで罪過を許してもらえるそうです。正式には「修二会(しゅにえ)」といって、毎年3/1~3/14の2週間にわたって毎日法要が行われます。

有名なのは80キロほどもある大きな松明に火を点け、火の粉を散らしながら二月堂の舞台を動き回るところです。メディアに取り上げられることも多く、とても厳かでありながら迫力もあり、外国人観光客にも人気があるようです。大きな松明の火の勢いがあまりにもすごいので「木造のお寺や仏像は大丈夫なのか?」と心配になってしまいます。

ちなみに・・・寺の記録では過去に火災の発生が数件あり、特に江戸時代の1667年(寛文7年)には、二月堂が焼失してしまったことがあったようです。防火設備が整っていない時代だと大変だったと思います・・・ 天平勝宝4(752)年から現在までなんと1274回も途切れることなく続いているそうです。 京都が都になる40年くらい前に始まり、藤原氏が栄華を誇り、紫式部が活躍していた時も、源氏と平氏が戦っていた時も、戦国武将が日本各地でごちゃごちゃしていた時でもずっと変わらず続いているのだから凄いですよね。毎年同じ時期に開催されていますので、チャンスがあればぜひ現地へ足を運んで体感していただければと思います。